美術館ログ 「クールベと海展」
先週末にまたまた美術館に行ってまいりました。
今回行ってきたのは、パナソニック汐留美術館でやっている「クールベと海展」。
クールベといえばフランスの写実主義画家。目に見えるものを、ありのままに描く。
その究極の作品といえば、美術史上最もスキャンダラスな作品とも称される「生命の起源」。私も初めて見たときは衝撃でした。
ですが、今回の作品展で取り上げられているのは彼が緻密に細密に描写した、
海を中心とした風景画です。
時に穏やかで、のどかで、優しく明るい。
そして時に荒々しく暗く、深い。
そんな森や海の様子を、何度も何度も夢中になり彼は描写したようです。
彼の初期の風景画から晩期に至るまで時系列とともに並べられていましたが、
初期の彼の描写は意外とべた塗チックで、まだまだ進化途中という感じがしました。
全盛期の彼の作品しかよく知らなかった私にはそれがとても新鮮に映りました。
やはり晩期に近づくにつれ、彼の関心はどんどん海に向くと同時に、
その細密さはレベルアップをしていっていました。
展示とともに丁寧な解説と彼のそのころの人生についての説明もあったのですが、
クールベはめちゃくちゃつかまってました。
政治的な思想とか広場の円柱壊したとか、割とコンスタントにつかまっているのが
面白くて思わず笑ってしまいました。
クールベとともに、モネやコンスタントロワイヨンの絵も展示されていて、
写実的な絵も印象派のふんわりした絵もあり、展示ボリュームも大きすぎず小さすぎずでのんびり癒されることができます。
展示室も暗くて落ち着いた色合いで素敵でした。
ぜひ、足を運んでみてください